地場産農産物を使うケーキ
福島は果物や野菜の栽培が盛んです。椏久里珈琲で提供するケーキには、ご縁のある農家が丹精込めて作ったフルーツや野菜を使わせていただいております。栽培に携わる方が苦心して作った材料だから、素材の魅力を大事にして「よいコーヒー」に合う素敵なケーキにしたい。今回は現在椏久里珈琲のケーキに使わせていただいている果物や野菜、生産農園を紹介します。ケーキのメニューは月ごとに変わりますから、その時期のInstagramやFacebookでご確認ください。コーヒーも同様に特定農園の豆などを使わせていただいているものが多いので、少しずつ紹介してまいります。
☆いちご:いちごは12月のガトーフレーズに始まり、イチゴのタルトやエルドベアトルテ(4月現在提供中)などで使わせていただいています。生産園は福島市岡部の八巻農園さん、とちおとめを土耕栽培しています。園主の光さんは福島市内いちご農家6人の若手生産者集団・ふくしまベリーボーイズに所属し、いろいろなイベント等にも参加しているようです。何を隠そう昨年当店スタッフと結婚し、それ以降、当スタッフが朝、イチゴを抱えて出勤してきます。JAふくしま未来の広報誌で紹介されました。
☆さくらんぼ:現在提供中のチェリーボンボンは伊達市梁川町粟野の菊地さんが栽培する紅さやかを使わせていただいています。初夏になると大粒の紅さやかが搬入されます。一部はシュバルツベルダーキルシュトルテにトッピングされたりもしますが、ほとんどはキルシュ酒に漬け込まれ、チェリーボンボンの材料となります。半年ほど漬け込んだチェリーはフォンダンをかけて熟成させ、チョコレートコーティングされ、トリュフやトリュフェットとともにバレンタインデーにも人気の逸品となります。中には固い種が入っていますから、食べるときにはご注意ください。昨年産のさくらんぼを仕込んだチェリーボンボンも残りが少なくなってきました。
☆りんご:りんごの産地福島が夏から秋にうつろうとするころ、椏久里には福島市瀬上にある果樹園やまとさんから、今では珍しい「紅玉」という品種のりんごが届きます。
強い酸味が特徴の紅玉は、ケーキやジャムの材料として重宝されていますが、甘さが特徴の品種にとって代わり生産量が少なくなっています。
果樹園ヤマトを主宰する阿部幸弘さんは、福島市りんご研究会の会長を務めるなど、先代や先々代同様福島りんごの振興にも力を注いでいます。「ふくしまプライドストーリー」で紹介されていますのでご覧ください。分けていただく貴重な紅玉は、タルトタタンやアプフェルシュトゥルーデル、リンゴのタルトなどのケーキに加え、時折ジャムになったりしています。
☆かぼちゃ:りんごよりも一足早く、かぼちゃの季節は訪れます。かぼちゃのプリンの材料になります。現在使わせていただいているのは、前の菅原農園さんにご紹介いただいた会津熱塩・菅井農園産の「かんどう」と呼ばれる長い形をしたかぼちゃで、会津地方独特の品種です。かぼちゃは交雑しやすいので「かんどう」の品種特性を失わずに栽培するには注意が必要のようです。「カンドウカボチャ」にまつわる会津、熱塩加納のお話しはこちらでご覧ください。
☆ブルーベリー:私が飯舘村の自家農園で栽培しているモノを利用しています。原発事故により放射能汚染がありしばらく栽培も果実を使うこともしませんでしたが、避難指示が解除され、果実からは放射性物質が「検出されず」になってきたことから、園の管理を再開させ、果実の利用を始めました。自家農園が利用できない期間は、いわき市の黒井さんが主宰するユウキベリー園のブルーベリーを使わせていただきました。黒井さんにはブルーベリー栽培で困ったことがあると相談相手になってもらっています。ユウキベリー園さんからは今もラズベリーなどをご提供いただいております。
飯舘村のブルーベリーの季節はほぼ7月で、ブルーベリーのタルトやハイデルベアトルテになるほか、ジャムは1年を通して提供しております。